HANALOGHANALOGお役立ちコラム
ホーム › お役立ちコラム › 会議の進行役がやること|議事録が軽くなるファシリテーションの型
← コラム一覧へ戻る
MEETING KNOWLEDGE

会議の進行役がやること|議事録が軽くなるファシリテーションの型

同じ顔ぶれ、同じ議題で集まっても、進行役が替われば会議の長さは変わります。進行役の振る舞いは、その場の空気だけでなく、あとに残る記録の質まで左右します。この記事では、議事録を書く人の手間が減る進行の型を、会議の入り方から終わり方まで順番に整理します。中小企業で進行役が社長になりがちな問題にも触れます。

目次
  1. 進行役の仕事は、話すことではなく整えること
  2. 最初の3分で、会議の枠を決める
  3. 発言は、一度言い換えて返す
  4. 脱線と沈黙の扱い方
  5. 社長が進行役をやると、議論が止まる
  6. 終了5分前に、決まったことを読み上げる
  7. 進行役の仕事は、記録では代われない

進行役の仕事は、話すことではなく整えること

会議の進行役というと、議題を読み上げて時間を見る係だと思われがちです。実際にはもう少し範囲が広く、出てきた発言を整えて、結論の形にして、場に戻す仕事です。整える人がいない会議では、発言がそのまま床に落ちていきます。落ちた発言を後から拾い集めるのが、議事録を書く人の作業になります。

進行役がその場で整えていれば、記録は「整えられた言葉」を書き取るだけになります。同じ60分の会議でも、記録側の負担は半分以下になります。会議の効率化というと時間短縮の話になりがちですが、進行の型を変えるほうが、結果として効きます。

ここで大事なのは、進行役が発言量を増やす必要はない、ということです。むしろ進行役がよくしゃべる会議ほど、議論は痩せます。進行役の発言は、確認・言い換え・区切りの3種類で足ります。

最初の3分で、会議の枠を決める

会議の入り方で、その後の30分が決まります。最初の3分で、次の3つを口に出してください。

  • 今日この場で決めること(「運搬業者を切り替えるかどうかを決めます」)
  • 終わりの時刻(「16時に終わります」)
  • 記録の扱い(「録音して議事録を作ります。よろしいでしょうか」)

3つ目は、形式的な確認に見えて、意外と効きます。録音する旨をその場で告げ、異論がないことを確かめてから始める。社外の方が入る会議では欠かせない手順です。社内だけの会議でも、一言添える習慣にしておくと、いざ社外の方が入ったときに忘れません。同意が得られない方がいる場合は、その場は手書きのメモに切り替えます。

会議の目的を口に出すと、参加者の発言の質が変わります。「決める会議だ」とわかっていれば、感想ではなく判断材料が出てきます。逆に何も言わずに始めると、最初の10分は全員が様子をうかがう時間になります。

発言は、一度言い換えて返す

誰かが発言したら、進行役はそれを短く言い換えて場に返します。「つまり、単価より納期を優先したい、ということですね」。この一手間が、議事録を軽くします。言い換えた時点で、発言が記録できる形に整っているからです。

言い換えには、もうひとつ効果があります。発言者の意図とずれていれば、その場で「いえ、納期というより欠品のリスクです」と修正が入ります。後から議事録を回して「そういう意味ではない」と言われるやり取りが、先に片づきます。

言い換えるときの3つの型

  • 要約する:長い話を一文にして返す(「要するに、来期の受注見込みが読めないので設備投資は保留、ですね」)
  • 分ける:事実と意見を分けて返す(「不良が先月3件出たのは事実、原因が人の入れ替えだというのは見立て、という整理でいいですか」)
  • 数える:選択肢の数を確認する(「いま出ているのは、A社に切り替える、単価交渉する、の2つですね」)

この3つだけで、多くの議論は形になります。慣れるまでは、「要するに」「事実と見立てを分けると」「いま出ているのは」と書いた紙を手元に置いておくと使えます。

脱線と沈黙の扱い方

脱線を頭から止めると、場が冷えます。おすすめは、一度受けてから戻す方法です。「その話は大事なので、別の議題として置いておきます」と言って、ホワイトボードの隅か議事録の末尾に一行書きます。書いてもらえると、発言者は納得します。止められたのではなく、預けられたと感じるからです。

預けた話は、会議の最後に「預かった話が3つあります。次の会議で扱うのはどれですか」と戻します。ここで扱わないと決まったものは、消していいものです。預けっぱなしにすると、次からまた同じ脱線が起きます。

沈黙は、待っていい時間です。質問を投げて5秒で「じゃあ進めます」と切ってしまう進行役は多いのですが、10秒から15秒は待ってください。考えている沈黙と、言いにくい沈黙は別のものです。10秒待っても出てこない場合は、「◯◯さん、現場から見てどうですか」と名前で聞きます。全体への問いかけは、誰も自分あてだと思いません。

社長が進行役をやると、議論が止まる

従業員20人から50人ほどの会社では、会議の進行役が社長になっていることがよくあります。社長がいちばん全体を見ているので、自然とそうなります。ただ、これには副作用があります。社長が進行役を兼ねると、意見を求める人と評価を下す人が同じになります。参加者は、意見を言うたびに評価されている感覚を持ちます。

さらに、進行役は議論を整える立場なので、自分の意見を言うと、それが結論のように響きます。社長が「まあ、A社でいいんじゃないか」と整理の口調で言えば、その時点で議論は終わります。本人にそのつもりがなくても、そう受け取られます。

対処はそれほど難しくありません。進行役を、部門をまたいで見られる中堅社員に渡します。社長は一参加者として座り、意見を言うときは「進行役としてではなく、私の意見として言います」と前置きします。最初の数回はぎこちなくなりますが、3回もやれば馴染みます。進行役を任された側にとっては、会社全体を見る訓練にもなります。

社長が進行役を続けざるを得ない場合は、せめて「自分は最後に話す」と決めてください。先に話すか後に話すかだけで、出てくる意見の量が変わります。

終了5分前に、決まったことを読み上げる

会議の終わり方で、議事録の完成度が決まります。終了5分前に進行役が手を止めて、決まったことを読み上げます。読み上げる項目は3つです。決まったこと、決まらなかったこと、誰がいつまでに何をするか。この場で全員に聞かせて、違和感があれば言ってもらいます。

この読み上げをやると、議事録はほぼ完成します。あとは読み上げた内容を文字にするだけです。読み上げをやらない会議では、書き手が後から記憶をたどり、関係者に確認して回ることになります。5分の読み上げが、翌日の30分を消します。

読み上げは、進行役自身にも効きます。声に出そうとした瞬間に、決まったつもりだった項目が決まっていないと気づくからです。「運搬業者はA社に切り替えます」と言いかけて、切替日を誰も口にしていないと分かる。そこで「いつからにしますか」と一言足せば、宙に浮いたまま解散する事態を避けられます。読み上げは報告ではなく、最後の点検だと考えてください。

読み上げの最中に反論が出たら、それは成果です。「いや、保留だと思っていました」と言われる気まずさは、会議室の中なら5分で済みます。同じ食い違いが配布後に出れば、関係者を回る一日仕事になります。

録音から下書きを作る道具を使っているなら、この読み上げはとくに効きます。HANALOGが決定事項の欄に並べるのは、会議の中でいちばんはっきり言葉になった箇所だからです。読み上げた日と読み上げなかった日では、出てくる下書きの厚みが違います。

もっとも、出てきた下書きをそのまま配るのは避けてください。読み上げの場面でいうと、「B班」が「非番」と書かれていたり、預けた議題のひとつが抜け落ちていたりします。進行役にできる備えは、終了前の読み上げを丁寧にやることです。下書きを読むときは、その場で声に出した内容と並べます。ここが合っていれば、あとの言い回しが多少荒くても実害は出ません。

進行役の仕事は、記録では代われない

ここまでの型を全部やっても、まとまらない日はあります。判断に必要な数字が出ていない日、決裁できる人が欠けている日、部門間の感情が議題の裏にある日。こうした会議は、進行の技術では片づきません。進行役にできるのは、まとまらなかったという事実を、はっきりした言葉で残すところまでです。それでも「今日は決まらなかった。必要な数字は営業部が金曜までに出す。次回で決める」と書いてあれば、来月また同じ議論を最初からやらずに済みます。多くの職場で本当に困っているのは、結論が出ない日があることではなく、出なかった事実がどこにも残らないことのほうです。

そして会議のあいだの判断は、記録の道具に肩代わりしてもらえません。進行役は、話が途切れた瞬間に、それが考えている沈黙なのか、言いにくい沈黙なのかを読んで動きます。読み違えれば、出るはずだった反対意見が出ないまま会議が終わります。録音は沈黙の長さを残しますが、その沈黙が何でできていたかまでは残しません。

切り上げるかどうかの判断も同じです。あと10分続ければ結論が出そうなのか、これ以上は同じ話が回るだけなのか。この見極めは、参加者の顔つきと、議論がいま何周目に入ったかを見ている人にしかできません。議事録は、終わったあとに何周していたかを教えてくれますが、その場には間に合いません。

誰に発言を振るかも、人が決めることです。名前で指名するかどうか、その人がいま答えられる立場にあるかどうか、この場で言わせてよい話かどうか。進行役はそれを数秒で判断しています。

道具が減らせるのは、会議の前後の手間です。書き写す時間、思い出す時間、その日いなかった人に同じ説明をやり直す時間。そこで浮いた分を、いま挙げた判断に向けるのが、記録を自動化する意味です。次の会議で変えるのは、終了5分前のひとつだけで足ります。

会議の終わり5分を変えるところから。

HANALOGの無料プランは毎月3時間まで・期限なしで、クレジットカードの登録は不要です。カードを登録しないため、自動で課金されることはありません。

無料ではじめる →

執筆:一般社団法人中小企業販促・DX支援協会