議事録作成の時間を分解する
議事録づくりは、ひとつの作業に見えて、実際は複数の工程に分かれています。
- 会議中にメモを取る
- 記憶とメモを頼りに、話の流れを思い出す
- 決まったこと・やることを整理する
- 文章にして体裁を整える
- 関係者に共有し、必要なら保管する
このうち時間がかかるのは、二番目と三番目です。文章を書く速さの問題ではなく、「何があったかを思い出して、そこから重要な部分を選び出す」作業に時間が吸われています。書くのが遅いから時間がかかるのではありません。
3つの作り方と、かかる時間
1 会議中に手で書く
最も一般的な方法です。追加の道具がいらない一方で、書きながら発言するのが難しく、議論への参加度が落ちます。聞き逃した部分は推測で埋めることになり、後から確認の往復が生まれます。
2 録音して、聞き直しながら書く
聞き逃しは防げますが、1時間の会議を聞き直すと、早送りを使っても30分以上かかります。正確さと引き換えに、作成時間はむしろ増えることが多い方法です。
3 録音して、自動で下書きまで作る
AI議事録を使う方法です。文字起こしから要点の整理までが自動で行われるため、人の作業は「確認して直す」から始まります。思い出す工程と、ゼロから書く工程がなくなるのが大きな違いです。
HANALOGの場合、録音するだけで文字起こし・要約・決定事項・アクション(担当と期限)・今後の予定が作られます。人が向き合うのは、できあがった下書きの確認からです。
どこから書き始めるかで決まる
三つの方法を比べると、差がついているのは「作業の開始地点」です。白紙から書き始めるのか、下書きから直し始めるのかで、必要な集中力も時間も変わります。
これは文章作成に限らず、見積書でも報告書でも同じです。前例のない資料をゼロから作るのと、前回分を修正するのとでは、負担がまったく違います。議事録も同じ構造です。
ただし注意点があります。下書きの質が低ければ、直す時間のほうが長くなります。文字起こしだけを渡されても、そこから要点を選び出す作業は残ります。効果を出したいなら、決定事項とアクションまで整理された状態で受け取れるかどうかを見てください。
確認は全文ではなく4か所に絞る
自動で作られた議事録を、最初から最後まで読み直していては、時間短縮になりません。AIは間違えるという前提に立ちつつ、確認する場所を絞るのが現実的です。後から問題になりやすいのは、次の4か所です。
- 決定事項:決まっていないことが決定として書かれていないか
- 数字:金額、数量、単価、率
- 日付と期限:いつまでに、いつから
- 固有名詞:会社名、担当者名、商品名、型番
音声認識は音と前後の文脈から言葉を推測するため、業界特有の言葉や社内の略称は音の近い別の語に変わることがあります。HANALOGでは、誤変換されやすい表記と正しい表記を登録しておくと、文字起こしと議事録の表記を置き換えられますが、それでも誤りがなくなるわけではありません。だからこそ、確認の対象を重要な4か所に決めておくことが効きます。
録音から共有までの手順
実際の流れは次のようになります。
- 会議の冒頭で、記録のために録音することを参加者に伝える
- PCかスマートフォンのブラウザで録音を開始する(対応ブラウザから、マイクとパソコンの音を録音できる。環境によってはマイクの音だけになる)
- 会議が終わったら、自動で作られた文字起こしと議事録を開く
- 決定事項・数字・日付・固有名詞の4か所を確認して直す
- WordまたはPDFで書き出し、社内の様式や共有先に合わせて配布する
会議の録音には参加者の同意が必要です。社外の方が参加する会議では特に、冒頭のひと言をルールにしておくと迷いません。また、録音データの扱いを聞かれることもあります。HANALOGでは音声は文字起こし後3日で削除(設定で残す場合も最大30日)、AIの学習には使わず、解約・退会から30日で全削除という扱いです。説明を求められたときに答えられるよう、社内で共有しておくと安心です。
どの会議から始めるか
社内で試すとき、対象の会議を選び間違えると効果が見えにくくなります。次の条件に当てはまる会議から始めると、判断材料が揃いやすくなります。
- 定例で繰り返される会議:比較ができ、運用が定着しやすい
- 議事録を作るのに時間がかかっている会議:短縮の効果が見えやすい
- 会議室など、比較的静かな環境で行う会議:音声の条件が安定する
- 出席者が5人程度までの会議:発言の重なりが少ない
逆に、最初の試用には向きにくいのが、屋外や工場内での立ち話、10人以上が同時に議論する会議、機密性が高く扱いを決めきれていない会議です。こうした場面を最初に選ぶと、仕組みの良し悪しではなく環境条件で結果が左右されます。
効果を測るときは、感覚ではなく時間を記録してください。「議事録ができるまでに何分かかったか」を、導入前と導入後で3回ずつ測るだけでも、社内で共有できる材料になります。
自動化しても残る仕事
ここははっきりさせておきます。自動化できるのは、聞き取って整理して形にするところまでです。次の判断は人に残ります。
- 書かれていることが事実として正しいか
- 社内・社外に出してよい表現か
- 記録に残すべきでない発言が含まれていないか
- この議事録を誰に届けるべきか
言い換えれば、議事録づくりの時間は、作る時間から確かめる時間へ移ります。総量が減り、担当者一人に集中していた負担が分散するのが、現実的な効果です。「議事録がゼロ分になる」と考えて導入すると、期待と実際がずれます。
どれくらい短くなるかは、会議の人数、録音の環境、求める体裁によって変わります。判断するには、ふだんの会議に近い音声で一度試してみるのが確実です。
ふだんの会議で、実際の時間を測ってみる。
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